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8ミリ映画の3つのタイプ [小型映画ミニミニ博物館]

P1030925b-3.JPG  小型映画ミニミニ博物館-4

8ミリ映画の3つのタイプ

IMGP3953-2.JPGSONY CX12  AVC-HD.JPG

●ビデオカメラ選びを迷わす、多彩すぎる記録方式
 あちこちで紅葉の便りを聞くいい季節になりましたね。もうビデオをお持ちの方はとにかく、「今年こそハイビジョンの高画質で紅葉を…」とお考えの方も多いのではないでしょうか。その時、さあ困った。一体どれを選べばいいのか。

とにかく最近のビデオカメラは種類が多すぎますね。ちょっと前まで、ビデオは「DVテープ」を使うタイプだけだったんですね。それが最近は「ハードディスクHDD)」や「メモリーカード」、「DVD」や「ブルーレイ」と呼ぶディスク仕様までが目白押し。最近ではハードディスクとカードの両方、あるいはカードとDVDの両方の機能を搭載したハイブリッド型と呼ぶタイプまで出てきましたね。まるで現在考えられるデジタル記録のメディアを総動員した形ですが、これだけ種類が多いとどの方式がいいのか迷ってしまいますね。

カメラ選びはスチル、ビデオを問わず、自分がどこまで取り組もうとするのか、これに尽きると思います。芸術写真を、と思えばやはりコンデジ(小型デジカメ)よりはデジイチ(デジタル一眼レフ)の方が表現の可能性が高くなりますし、ビデオで言えば、撮影したものをすぐに家のテレビで見たい、とか、撮ったものに簡単なタイトルと音楽を付けてDVDにして友だちにプレゼントしたい、とか、やっぱり自分はきっちりとした作品を作るんだとかという活用レベルを検討すれば、おのずと選ぶべきカメラのタイプが見えてくるはずですよ。

●ところで8ミリ映画は…

その点、昔は簡単でした。アマチュアがホームムービーを撮影する場合は、8ミリ幅のフィルムしかありませんでしたから。これが「8ミリ映画」と呼ばれるものですね。日本で8ミリ映画の人気が出始めたのは1950年代の半ば(昭和30年代初め)頃からなんですが、その頃ビデオは、まだようやくテレビ局が番組の録画用に使い始めたくらいの時代でしたでしょうか。

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●「弁当箱」と呼ばれた「シネコダック8」。望遠レンズとの交換もできる。
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●左/レンズ下の絞りガイド。針を合わせるとレンズの絞りに連動。
●右/ファインダー。見た目と写る範囲はズレるので、見当をつける程度のもの。


その8ミリ映画を知っているという人も、実は始めた段階によって、ずいぶんちがうイメージをお持ちです。「フィルムを入れ替えるのが大変でね」という方は最古参。「ああ、あのマガジン・ポンね」という方は8ミリ時代の半ばに参加された方。そして「音では苦労しましたよ」という方は凝り性の大ベテランか、8ミリ時代の後半に始められた方です。これを要約すると、最初はフィルムの入れ替えがあった。次にマガジン・ポンが現れた。そして最後に音が付いた、ということになります。これが実は8ミリ映画の歴史の大筋なんですね。

P1060360-2.JPG
●左/ダブル8 …16ミリの生フィルムを利用したもの
 中/シングル8…8ミリ幅でマガジン入り(富士フイルム方式)
 右/スーパー8…8ミリ幅でマガジン入り、コダック・サウンドフィルム

●最初は16ミリフィルムを利用した「W」方式

 デジタルでなく、フィルムカメラのフィルム幅は何ミリでしょうか。35ミリ。正解です。これは実は映画のフィルムをそのまま流用したものなんですね。長いフィルムを24枚撮りとか36枚撮りとかに切り売りしているわけですね。
 映画フィルムではこの他、小型映画と称されるポピュラーな
16ミリという規格があります。最初の8ミリ映画はこの16
ミリの映画フィルムをソックリ利用したのです。

P1010526-2.JPG●装填の際、頭の部分は感光。

 16ミリフィルムは1923年に米国のコダック社が白黒の反転フィルムとして発売したものです。これを8ミリに利用した方式は「W8(ダブルエイト) 」と呼ばれています。(本来の呼称はレギュラーエイトなのですが、のちにシングル8の出現によってダブルエイトが一般的な呼び名になりました)

16ミリフィルムには、カメラ(当初は撮影機と呼んでいました)や映写機に掛けるために、1コマ間隔にパーフォレーションと呼ぶ穴があけられています。この穴を半分の間隔にして、1コマを1/4の面積として利用すれば、小型のホームムービーを実現できるのではないか、と考えたのです。それならば画面の縦横比も変わらないし、画面は小さくなるけれど家庭で見るには十分だろう。第一、16ミリに比べて1/4のコストダウンだから、これで一気に8ミリブームを起こせるぞ、という訳です。

IMGP5502-2.JPG
「W8(ダブルエイト)」(右)とは
  左/16ミリ、トーキー映画のフィルム。トーキーでは穴は片側だけ。
 右/16ミリ無声フィルムは両側に穴があり、中間に穴を増やして1駒分を4駒として
   使う。
   撮影後に現像所でフィルムの中央から縦に裁断し、穴の側を揃えて1本の8ミリ
   にして返送してくれる。

で、具体的には穴の間隔を1/2にした両側パーフォレーションの16ミリフィルムを生産する。ユーザーはそれを専用のカメラに入れ、まず片側を撮影した後、フィルムリールを裏返して反対側を撮影する。つまり往復撮影する訳です。
 それを現像すると、往きと返りで画像は逆向きになりますが、現像所ではそのフィルムを縦に真ん中から裁断して、パーフォレーションを同じ側にした1本の8ミリフィルムに仕上げてユーザーに返送する、というやり方です。
実にすばらしい着想ですね。
 こうして米国のコダック社によって
1932年に「W(ダブルエイト)
」方式の8ミリ映画が誕生したのでした。当然、カメラも発売されました。

 ただ、やはり高価であったことと、間もなく第二次世界大戦が勃発し、本当に普及するのは戦後になってからでした。
ここにご覧頂きます「シネコダック8 モデル60」は、おそら1930年代の終わり頃に発売されたと思われるW8カメラの例です。


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●「シネコダック8 モデル60」の内部。左のドラムの中にゼンマイがあり、その力で駆動する。
P1010534-2.JPGP1010533-2.JPG

(説明付き)

■諸元
名称        CINE CODAK EIGHT model 60
メーカー     コダック(アメリカ)
発売年度   不明 1930年代後半と思われる
タイプ        w8(ダブルエイト)
音声      サイレント
駆動方式   スプリング式 最大25秒
レンズ       kodak Anastigmat F1.9 13mm
特長      レンズ交換可能 
         絞り指標と絞りが連動
発売時価格  不明

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Ja-Kou66

やはり、祖父が8ミリを持っていたようですが
フィルムの保存状態が悪くて、ぱりぱりになっていました・・・(>_<)

わたしが初めて購入したビデオカメラは、Hi-8でした。
当時は、海外旅行に連れて行っておりましたが、今や・・・
(今や、デジカメで事足りちゃいますし)
by Ja-Kou66 (2008-10-17 01:19) 

sig

Ja-Kou66さん、こんにちは。
やはり古いフィルムはだめでしたか。うちも初期のフィルムは昨年あたりでほとんど全滅しました。簡単にビデオにしておいたものを、このブログで使っています。
お話の通り、最近のデジカメは動画の性能も上がり、ビデオカメラの必要がなくなりましたね。私も最近はデジカメで簡単に撮ることも多くなりました。

Hi8でお撮りになった海外旅行の記念ビデオは、Hi8カメラが健在のうちに、一番いいのはアナログビデオを取り込めるボードを搭載したパソコンにつないでデジタルに変換するといいのですが・・・。
by sig (2008-10-17 10:38) 

sig

takemoviesさん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2008-10-17 10:39) 

furukaba

こんにちは。
映像記録媒体がこれ程多種多様化して来ると財布と技能が
翻弄されています。いい風が吹いたら・・と思うのですが
春風は中々吹きません。コマッタものです。

8mm映像講座 勉強になります。
by furukaba (2008-10-17 11:33) 

sig

furukabaさん、こんにちは。
いろいろなメディアの登場で、映像が誰にでも扱えるようになり、全体にビデオ人口が増えても、それはあくまでも「動画人口」であって、いわゆる作品づくりを志向する人の比率はかえってどんどん小さくなっているような気がします。
ということは、映像の本質が変化していると見なければならないでしょうね。
furukabaさんのような少数派はみんな、泥沼にあえがなければならないのです。(笑)

この8mm発達史をビデオ前史としてお楽しみいただけたらうれしいです。
by sig (2008-10-17 14:22) 

ChinchikoPapa

こんにちは。
うちでは、アナログのコンパクトビデオテープ→デジタルビデオテープと、ビデオカメラは購入してきましたけれど、子供たちが大きくなると用途が減り、いまではめったに取り出さなくなってしまいました。それぞれが再生できるビデオデッキの確保も、難しくなってきましたね。HD付きのカメラがもう少し早く出ていれば、PCへ簡単にデータを転送できて便利だったでしょうに。
ブログへ簡単に動画を登録できる時代ですので、地域の街並みなどを写して掲載したい欲求にかられますが、ビデオカメラを手にしますと、ますます睡眠時間を取られそうですので(^^;、デジカメの画像ぐらいがちょうどいいと考えています。w
by ChinchikoPapa (2008-10-17 14:53) 

sig

yannさん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2008-10-17 15:17) 

sig

ChinchikoPapaさん、こんにちは。
お話の通り、ビデオがアナログからデジタルに変わった時には、ユーザーは180度の転換を強いられたのですが、では簡単に画像をアナログからデジタルに変換できるかというと、DVカメラを買ってダビングするか、超高級パソコンか機能を強化した自作パソコンくらいしか手はなかったですからね。とてもお金のかかることでしたね。

動画による地域の町並み紹介など、分かりやすくていいですね。これは、という時に使えばいいのでは。ケータイでもデジカメでも、今は動画が撮れますし…。でも、ちょっとでも手を加えようとすると簡単にはいきませんけどね。(笑)
by sig (2008-10-17 15:29) 

sig

yamagatnさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2008-10-17 18:48) 

sig

チョコシナモンさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
機械のことは退屈でしょうが、別の話題もありますから、どうぞよろしく。
by sig (2008-10-17 18:51) 

walz

デジタルカメラの動画機能はよく使いますが、本格的に動画を撮ったことがなかったりします
昔から興味はあるのですが・・・

今度発売されるデジタル一眼レフカメラ、Eos 5D markIIの動画機能は面白そうでした
レンズを交換しながらデジタル一眼レフで映画を撮影するというプロモーションでしたが映像もなかなかのもの
専用機と比べればまだまだ問題がありそうですが、面白い試みだと思いました
by walz (2008-10-17 19:33) 

sig

walzさん、こんばんは。
動画も面白いですよね。私もデジカメ動画でよく遊びますよ。
CANON EOS 5D MarkⅡの動画機能は 4GBでFull HD 約12分とありますから、16GBメモリを用意すればそこそこハイビジョン作品作りも可能でしょう。ただ形はあくまでも一眼レフですから、ムービーとしての使い勝手はどうでしょうか。
写真的にカワセミのような動物などの瞬間の行動を狙うとか、スポーツのフォームを研究するとか、ムービーではなく1秒30駒の高速連射機能として使うことも考えられますね。面白そうなカメラですよ。
by sig (2008-10-17 21:02) 

みかっち

いつ遊びに来ても本当にタイトル通り、昭和館にぴったり!
博物館に足を運ぶ必要なくてええわぁ~(^0^b)
個人で所有する貴重な初期のフィルムがダメになっていくなんて、
とってももったいなく思います。
古き良き時代のいろんなシーン、もっとみんなで守ってほしいですね。
by みかっち (2008-10-17 22:20) 

sig

みかっちさん、こんばんは。
「昭和館」をそう言ってもらって、とてもうれしいです。そう。ここはカテゴリーの「昭和館フロアガイド」に書いたように、街の片隅にあるsigの個人博物館なんです。
昔のことをただ過去のこととして話すのではなく、できるだけ若い世代の方にも読んで頂けるように、現在と対比したり連携させたりしてお伝えしようと心がけています。

by sig (2008-10-17 23:54) 

BlackTiger

なるほど・・道具選びはまず取り組む姿勢で決めるのが理に叶っていますね。道具を使いこなすのは、なにかをやりたいという意欲ですね。
私は普通のデジカメで写真も動画も十分かも・・・。
そのかわり、少しやりたいことが増えたので、画像ソフトはグレードアップしてみようかなと思っています。
by BlackTiger (2008-10-18 11:08) 

kontenten

フィルムの交換は、チェンジボックス(携帯暗室)で
されたのですか?
私も昨今、35mmと共に120サイズを始めました(w)
パトレーネに入っていないフィルムって恐いですよね^^;Aアセアセ
でも、ダブル8って、素晴らしいアイデアと思います(^^)
by kontenten (2008-10-18 16:37) 

sig

BlackTigerさん、こんばんは。
そうですね。始めに目的ありき、ではないでしょうか。
lowから始めて次第にhighへ、という考えもありますが、私の場合はビデオですが、初めからやりたいものがありますから、それが出来るのはハイレベルしかないということで、いきなりhigh機種です。
その代わり写真はスナップでokなので、デジカメで十分。ただ、少しは応用を利かせたいので、フルマニュアル機にしています。
BlackTigerさんは機材を活かせるソフトを、というわけですね。楽しみですね。

by sig (2008-10-18 17:30) 

sig

kontentenさん、こんばんは。
いい質問です!(笑) 生フィルムのロールを裏返す時は、日陰でやるだけです。当然フィルムの頭は感光しますが、中までは感光しません。往復撮影ですからフィルムの両端が感光することになりますが、その分はリーダーとして長めにしてあるのです。
次の「小型映画ミニミニ博物館」カテゴリーでは、その様子を動画でご覧頂く予定です。当然、慣れないと露光が長くなりますから、素早くやることが必要なのです。まさにアナログでしょう。

kontentenさんのようにスチルで生フィルムを扱うには、とてもこんな訳には行きませんね。
こんな「ダブル8」があったということも知っておいてくださいね。
by sig (2008-10-18 17:46) 

sig

kemmさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2008-10-18 17:47) 

puripuri

聞いた事のある名が所どころに登場しています。
兄の8ミリのメーカーは何処だったのかしら?その頃は転勤になっていた兄なので
撮っているとこを見た事がありません。
フジカシングル8でしたかしら、、「私にも映せるんです」のCM(言葉が違うかも)
by puripuri (2008-10-18 19:52) 

sig

puriupriさん、こんばんは。
いつも覗いてくださってありがとうございます。
お兄さんのカメラはどこのメーカーだったのでしょうね。
「私にも写せます」のフジカシングルエイトについては近いうちに書きますよ。
by sig (2008-10-18 22:04) 

sig

xml_xslさん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2008-10-19 08:20) 

sig

leoさん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2008-10-24 10:57) 

sig

甘党大王さん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2008-10-24 10:57) 

Qoo

ビデオカメラの中ってもっと複雑なのかと思っていましたが
すっきりとシンプルな造りなのですね
その中にはとてつもない智恵が詰まっているのでしょうけど
あのマガジン・ポンって奴は田舎で見たことがあるような気がするな~

by Qoo (2008-10-25 07:45) 

sig

こんばんは。
ほらほら、Qooさん、勘違い。
これはビデオに変わる前の8ミリ映画カメラなんです。
二段重ねの菓子折りをイメージしてください。写真でご覧の部分は箱の上段部分で、歯車だらけの本当のメカニズムは、実はこの箱の下半分にあるんです。そこにはまさに時計の内部のようなこまごまとした機構が隠れているのですよ。
ただし、電気や、もちろん電子に関係のないすべて手動のアナログ式ですからプリント配線などはありません。

マガジン・ポンについてはもう少し先でお話しますね。

by sig (2008-10-26 15:41) 

Qoo

(^^ゞ
やってしまいましたね、またまた勘違い(^^ゞ
そうか、よく見るとネジが見えますね~
その下は複雑な作りになっているのですね
失礼しました
by Qoo (2008-10-27 21:00) 

sig

Qooさん、そんなこと、わざわざいいんですよ。

このカメラの片側半分の隠れている部分は、私は機械専門ではないので、怖くて開けられません。(笑)
by sig (2008-10-28 19:12) 

lamer

今の映画館はどうなっているのでしょうか?
映写を気にしていないのですが
在るのかなって感じです。
by lamer (2008-11-01 20:35) 

sig

lamerさん、こんばんは。
最近の映画館は、従来型の大型館とシネマ・コンプレックスと呼ばれる中型、小型の館に二極分化しています。
また、フィルムで上映する映写形態は次第にデジタルによるものに変わろうとしています。
映画がアナログからデジタルに変わっても、基本的な部分は変わらないと思いますが、デジタルならではの特性が活かせる表現がたくさん使われるようになったという感じがします。その意味で映画は、これからまだまだ面白くなると思っています。
by sig (2008-11-07 20:26) 

sig

いっぷくさん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2009-05-04 07:05) 

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